ようこそ!ブロックチェーンの世界へ

【初級】ブロックチェーン講座について

1. ご挨拶 鎖塊 当サイト運営の鎖塊知能(さかい ともよし)です。当セクションでは、ブロックチェーン学習の初級カリキュラムを取り扱っています。全ての講義は会話形式で行われますので、初心者の方でも気軽に読んでいただければと思います。私は講義には参加しませんが、皆さんの良い学びとなることを祈っています。 江輝 皆さん、本日は江輝ブロックチェーンアカデミーへようこそお越しくださいました。当学院は『誰一人、取り残さない学びを』をモットーに、分散型技術の普及と実践教育を目指しています。創立者兼学長の江輝智司(えてる さとし)です。 結 はじめまして、弧鎖塊結(こさかい ゆい)と申します。私も皆さんと一緒に先生の講義を受けることになりました。ブロックチェーンのことはほとんど理解できていないので、皆さんと一緒に少しずつ学んでいければと思います。よろしくお願いします。 円 私は弧鎖塊円(こさかい まどか)!今日は皆に挨拶するためにお姉ちゃんについてきました!私は講義は受けられないけど、帰ったらちゃんと教えてね、お姉ちゃん! 2. 初級カリキュラムについて 江輝 皆さん、当学院の初級カリキュラムについてご説明いたします。このコースは初学者の皆さんを対象に、ブロックチェーン技術を基礎からしっかり学んでいただくために設計されています。 結 まずは基礎からゆっくり学んでいきましょう。 江輝 まず、第1章では『ブロックチェーンとは何か』を扱い、分散型台帳の基本概念と中央集権型システムとの違いを図解で理解します。 結 分散型台帳、中央集権型システム… 江輝 次に第2章『ブロックチェーンはどう動くのか』では、トランザクションの生成からノード検証、ブロック生成までの一連の流れをステップごとに追い、内部の仕組みを体感していただきます。 結 トランザクション、ノード… 江輝 第3章『ブロックチェーンをどう使うのか』では、ビットコインをはじめNFTや医療記録、投票システムなど、身近なユースケースを通じて用途とメリットを学びます。 結 NFT… 江輝 そして最終章の第4章『ブロックチェーンはどうなるのか』では、スケーラビリティやエネルギー消費といった課題を整理し、レイヤー2やゼロ知識証明といった最新技術まで概観します。 結 スケーラビリティ、レイヤー2、ゼロ知識証明… 結 先生、難しい単語がたくさん出てきて私、少し不安になってきました… 江輝 当学院は『誰一人、取り残さない学びを』がモットーです。わからないところはしっかりと説明していきますから、安心してください。 結 ありがとうございます!頑張ります! 円 お姉ちゃん、頑張ってねー! 江輝 それでは皆さん、一緒に学びの旅を始めましょう。

6月 16, 2025

【初級】第1章:ブロックチェーンとは何か

1. はじめに 江輝 この記事では、私と結さんが、中央集権型システムと分散型システム、そしてそれを応用したブロックチェーン技術について、対話形式でわかりやすく学んでいきます。まずは、インターネット上のデータ保存がどのように行われてきたか、基本的な仕組みから確認していきましょう。 2. 中央集権型システムの特徴と課題 江輝 結さん、私たちが普段使っているネットサービスは、どこか一か所のサーバに情報が集まって管理されていることが多いのをご存知ですか? 結 ええと……たとえばSNSとかネットショップとかですか?なんとなく、企業のサーバーで全部まとめて保存されてるイメージがあります。 江輝 その通りです。このように、特定の企業や組織がすべてのデータと機能を集中管理する仕組みを「中央集権型システム(Centralized System)」と呼びます。システムの制御や判断が一つの場所に集約されていることで、管理がしやすい一方、トラブルに弱いという側面があります。 結 どういうときにトラブルになっちゃうんですか? 江輝 例えば、そのサーバーがハッキングされたり停電や機械トラブルで止まった場合、ユーザーはサービスを一切利用できなくなります。これを「単一障害点(Single Point of Failure)」と呼び、中央集権型の最大の弱点です。 故障や攻撃で全サービスが停止しやすく、単一障害点が最大のリスクに 結 あ、全部一箇所に頼ってると、そこがダメになったら全部ダメになっちゃうんですね。 江輝 まさにその通り。特に個人情報や金融データのような重要な情報が狙われやすい現代において、単一障害点を抱えることは大きなリスクになります。 江輝 もちろん、現代の多くの企業サービスでは、サーバーの冗長構成やバックアップ体制、フェイルオーバー、CDNの活用など、障害への対策はしっかり取られています。それでも、極端な集中管理に依存する構造そのものにリスクが残るという点が、分散型の発想の出発点でもあるのです。 3. 分散型システムの概念 江輝 こうした中央集権の問題点に対して考え出されたのが「分散型システム(Distributed System)」です。 結 分散っていうと……データをバラバラにするんですか? 江輝 良い質問ですね。分散型では、複数のノード(コンピュータ)がネットワーク上で互いに連携しながら、全体の仕組みを動かします。データや処理を一か所に集めるのではなく、それぞれのノードが役割を持って、相互に情報をやりとりします。 結 それなら、どこか1つのノードが止まっても、他のノードでカバーできそうですね! 江輝 そうです。これにより、可用性(Availability)や耐障害性が飛躍的に向上します。特に、ノード同士がP2P(ピア・ツー・ピア)でつながることで、中央管理者なしでも情報のやりとりや整合性の確認ができるようになります。 故障や攻撃でノードが停止しても、他のノードでサービスを継続して提供できる 結 自動でお互いにチェックし合ってるような感じなんですね。なんか、チームワークって感じで頼もしいです。 4. ブロックチェーンが実現する分散台帳 江輝 分散型システムをさらに発展させたものが、私たちが学ぼうとしている「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンは、分散型ネットワーク上で正確な取引履歴を管理するための台帳(Ledger)のような仕組みです。 結 台帳って、昔のお店で売上を記録してた帳簿みたいなものですか? 江輝 まさにそのイメージです。ブロックチェーンでは、取引データを「ブロック」という単位にまとめ、それぞれのブロックに「ハッシュ」という指紋のような値を付けて、鎖のように順番につなげて記録していきます。 1つ前のブロックのハッシュ値をキーにして全てのブロックが1列に繋がっている 結 指紋?ハッシュってなんですか? 江輝 ハッシュとは、任意のデータから固定長の文字列を作り出す関数のことです。特に次の3つの性質が、ブロックチェーンの安全性を支える重要なポイントとなっています。 性質 説明 一方向性 ハッシュ値から元のデータを復元することがほぼ不可能である 衝突耐性 異なる入力から同じハッシュ値が出る確率が極めて低い 高感度(Avalanche) わずかな入力の違いでも、まったく異なるハッシュ値が生成される 江輝 たとえば「block」と「blocks」のように、1文字違うだけでもまったく別のハッシュ値になります。これにより、過去の記録がほんの少しでも書き換えられると、すぐにそれが分かる仕組みになっているんです。 改ざんされたブロックはハッシュ値が変更されることにより、次のブロックとの連結が消失しチェーンから排除される 結 なるほど!ハッシュはデータが改ざんされていないことを確認するための指紋なんですね!そして、チェーンの途中を改ざんすると、次のブロックが持っている指紋と一致しないから、すぐバレちゃうんですね。 江輝 さらに、ネットワーク上のすべてのノードがこのチェーン全体をコピーして保持しているため、誰か1人が不正をしても、他の多数のノードが正しい記録を保持している状態が保たれます。これが「分散台帳」と呼ばれる理由です。 結 みんなで同じノートを持ってるってことか……それなら安心ですね! 5. まとめと次章予告 江輝 中央集権型システムは一元管理がしやすい反面、単一障害点のリスクが高い。 分散型システムは可用性と冗長性に優れ、障害に強い構造を実現できる。 ブロックチェーンは分散型の仕組みを活かし、正確で改ざんが困難なデジタル台帳を提供する。 次章では、このブロックチェーン上で取引がどのように生成され、どのようにして新しいブロックとして台帳に追加されるのか、その一連の流れを体験的に学んでいきます。 ...

6月 16, 2025

【初級】第2章:ブロックチェーンはどう動くのか

1. はじめに 結 前回、ブロックチェーンって「みんなで同じノートを持ってる」って聞いて安心したんですけど…そのノートって、どうやって書かれていくんですか?ブロックって「チェーン状に並んでて、それぞれ前のハッシュを覚えてる」っていう仕組みでしたよね?それがどうやって動くのか気になります。 江輝 ブロックチェーンの仕組みについて興味を持ってくれたようでなによりです。今回の記事では、代表的なブロックチェーンであるビットコインのネットワークを題材にして、取引がどのように処理され、記録されていくのかを順を追って学びましょう。 2. 取引(トランザクション)のはじまり 結 ビットコインを送るって、誰かが誰かに通貨を移すってことですよね?でも、実際にどういう手順で送るんですか? 江輝 いい質問ですね。ビットコインでの送金や受け取りといった記録は「トランザクション」と呼ばれます。トランザクションとは、過去に受け取ったビットコインを使って、新たな送り先に送金するという命令書のようなものです。次の図を見てください。 ※簡略化のため、送金手数料の記載を省略しています。 江輝 まずユーザーは、送りたい相手のアドレスと金額を指定します。そして、自分が過去に受け取ってまだ使っていないビットコイン(UTXO)を入力として選び、それらをまとめてトランザクションを構成します。この図では、私が過去に受け取った1.0BTCのうち、0.8BTCを結さんに送金し、残りを私に戻すトランザクションを作成しています。 江輝 このとき、自分が正当な持ち主であることを証明するために入力側に「電子署名」を行います。これは、自分の秘密鍵で取引内容に署名することで、誰でもその署名が正しいかを確認できる仕組みです。 結 電子署名って、「この取引は私がやりました」って証明する仕組みなんですか? 江輝 その通りです。電子署名があることで、そのトランザクションが本人によるものであり、かつ途中で改ざんされていないことも保証できます。 江輝 署名されたトランザクションはネットワークに送られ、周囲のノードたちがそれを受け取ります。ノードは署名や残高、二重支払いの有無などを確認し、問題がなければその取引を未承認トランザクションとしてプールに保管します。 結 未承認ということは、この後誰かが承認をするということですか? 江輝 はい。そして、このトランザクションの承認プロセスがビットコインの安全性を支える上で非常に重要な要素となっています。 3. ノードによる検証とブロック化 結 トランザクションを受け取ったノードは、どうやってその取引が本当に正しいものか判断するんですか? 江輝 前節でもお話したように、主に3つのポイントを確認します。まずは電子署名が正しく、自分のアドレスの秘密鍵から発行されたものであること。次に、送信者が実際にその金額分の未使用コイン(UTXO)を持っているか。そして、同じコインが別の取引にも使われていないか、つまり二重支払いのチェックです。 結 なるほど…たしかに、それを見落としたら不正が起きちゃいますもんね。 江輝 そうなんです。そして、こうして検証された未承認トランザクションは一時的にノードに保管され、マイナーと呼ばれるノードたちによってブロックにまとめられていきます。 江輝 ビットコインでは、おおよそ10分に1回のペースで新しいブロックが作られます。マイナーは、未承認トランザクションの中からいくつかを選び、1つのブロックにまとめたうえで、一定の条件を満たすハッシュ値を見つけるという「計算競争(マイニング)」に挑戦します。次の図を見てください。 ※簡略化のため、ブロックに含まれる情報の一部を省略しています。 結 なんかちょっと複雑な感じの図ですね… 江輝 少し複雑に見えるかもしれませんが、ここはビットコインの安全性を支える非常に重要な部分です。ぜひ理解しておきましょう。前回の講義で、新しいブロックをチェーンにつなぐキーが、直前のブロックのハッシュ値であることを説明しましたね。 ...

6月 16, 2025

【初級】第3章:ブロックチェーンをどう使うのか

1. はじめに 江輝 前回は、ビットコインのトランザクションがどのように作られ、承認され、ブロックにまとめられるかを一通り見てきましたね。今回はそのブロックチェーン技術が、実際にどんな場面で活用されているのかを見ていきましょう。 結 ブロックチェーンの仕組みを学んだら、今度はそれが「どう使われてるか」ってことですよね。いまのところあまりピンと来ていないので、授業が楽しみです。 江輝 実はブロックチェーンは、通貨だけでなく、アートやゲーム、さらには選挙や医療まで、さまざまな分野で使われ始めています。まずはやはり、ブロックチェーンを代表する存在「ビットコイン」の活用から振り返ってみましょう。 2. ビットコイン:仲介者をなくす通貨の仕組み 江輝 これまで、銀行などの仲介者がいなければ、他人にお金を送るのは難しいとされていました。ところがブロックチェーンでは、その役割を「ネットワーク全体」が担うことで、銀行なしに送金が可能になります。 銀行などの仲介者を介さずに直接ユーザ同士で資金移動を行う。 結 トランザクションをみんなで確認して、ちゃんとブロックに記録して…そうやって送金するってことなんですよね。 江輝 そうです。そしてこの仕組みによって、国境を越えた送金や、銀行口座を持たない人々にも金融サービスを届けることが可能になりました。新興国ではスマートフォンだけでビットコインを使う事例も増えています。 結 いままでお金が届かなかった人にも、ブロックチェーンで届くようになるって…すごいことですね! 3. NFTとデジタルアート:本物を証明する技術 江輝 次は、ブロックチェーンの「改ざんできない記録」という特徴を活かした活用例です。最近、アートの世界で「NFT」という言葉を聞いたことはありませんか? 結 あ、あります!SNSで「このデジタル絵が○○万円で売れた!」みたいな投稿を見たことがあります。 江輝 そのとおり。NFT(非代替性トークン)は、ブロックチェーン上に記録された「唯一無二のデジタル証明書」です。たとえばあるイラストをNFT化すると、その所有者や過去の売買履歴がブロックチェーンに記録され、誰でも確認できます。 デジタルデータの所有権や売買履歴を改ざんできない形で保持する。 結 コピーはできても、「本物はこれ」ってちゃんと証明できるんですね! 江輝 そうです。しかも、この記録は誰にも改ざんされません。アーティストにとっても、自分の作品が誰の手に渡ったのか追跡できるのは大きな価値です。 結 私の作品も、NFTにして販売できたら…なんて夢が膨らみます! 4. ゲームとアイテム経済:プレイヤーが本当に所有する 江輝 ゲームの世界でもブロックチェーンは注目されています。これまでのゲームでは、アイテムやキャラクターのデータは全て運営企業のサーバーに保存されていました。 結 たしかに、ある日ゲームが終了したら、今まで集めたアイテムが全部消えちゃったこともあります… 江輝 そこで登場するのがブロックチェーンゲームです。ゲーム内のアイテムをNFTとして管理することで、プレイヤーがその所有者として記録され、自由に売買できるようになるのです。 ゲームアイテムをNFT化することで、運営企業に依存しない形で所有権を得る。 結 ということは、ゲームの世界で手に入れたものを、他のプレイヤーに売ったり、別のゲームに持ち込んだりできるんですか!? 江輝 実現されつつありますね。アイテムに経済的価値がつくことで、「プレイが資産になる」時代が到来しつつあるのです。 結 遊んでたらおこづかいが増える…夢みたいです! 5. 社会インフラへの応用:投票・医療・物流 江輝 最後に、少し社会的な話題にも触れておきましょう。ブロックチェーンは、信頼性と透明性が求められる分野にも応用されています。 結 どのような分野で利用されているのでしょうか? 選挙、医療、物流などさまざまな分野でブロックチェーンが利用されている。 江輝 たとえば「選挙」です。投票内容をブロックチェーンに記録すれば、改ざんされず、誰がいつ投票したかも記録に残る。しかも投票結果をリアルタイムで公開できるシステムも構想されています。 結 それは…すごく大事な使い方ですね! 江輝 他にも、医療では「電子カルテの共有」に。物流では「製品の出どころを記録する」ことに使われています。つまり、どの農場で育てられ、どの工場を経由し、どの店に届いたか──全てが記録されるわけです。 結 買ったコーヒー豆がどこの畑で育ったかも分かるってことですか!? 江輝 ええ。消費者にとっては安心材料になりますし、生産者にとっては品質を証明する手段にもなりますね。 6. まとめ 江輝 本章で学んだことを整理しましょう。 ...

6月 17, 2025

【初級】第4章:ブロックチェーンはどうなるのか

1. はじめに 江輝 結さん、これまでの講義でブロックチェーンの基本構造や利用例について学びましたね。今回はその応用をさらに広げるために、いま技術が直面している課題と、それを乗り越えるための最新の取り組みに焦点を当ててみましょう。 結 はい!すごく興味あります。でも課題って…そんなにたくさんあるんですか? 2. ブロックチェーンが抱える課題 江輝 ブロックチェーンは非常に画期的な技術ですが、いくつかの大きな課題を抱えているのも事実です。その代表例が「取引処理の遅さ」と「電力消費の大きさ」です。 結 あっ、ビットコインのマイニングってすごく電気を使うというお話でしたね。 江輝 そうですね。ビットコインでは、1件の取引が承認されるまでに10分以上かかることもあり、そのためのマイニング作業に大量の電力が使われています。 結 たしかにニュースでも「環境に悪い」って言われたりしますよね。 江輝 そうですね。そこで登場するのが、「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」という仕組みです。これは、計算力ではなく、仮想通貨の保有量に応じて取引の承認権が与えられる仕組みで、消費電力を大幅に削減できます。 プルーフオブステークでは仮想通貨の保有量に応じて取引の承認権が与えられる 結 パワー勝負じゃなくて、信頼で選ばれるって感じなんですね! 江輝 とても良い例えですね。実際にイーサリアムというブロックチェーンは、2022年に行われた大規模なアップグレード「The Merge(マージ)」によって、従来のPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoSに切り替えられました。 結 イーサリアムってよく聞くけど…ビットコインとは違うんですか? 江輝 ええ、違います。イーサリアムは、仮想通貨『ETH(イーサ)』を使った取引に加えて、「スマートコントラクト」と呼ばれる自動実行されるプログラムを組み込める特徴があります。そのため、NFTやDeFiといった分散型アプリケーション(DApps)の多くがイーサリアム上で展開されています。 江輝 次に、「スケーラビリティ」も大きな課題です。これは、たくさんの取引を同時に処理する能力の限界のことです。 結 あ、つまり「遅い」っていうのとはまた違って、「混雑しやすい」ってことなんですね。 江輝 その通りです。たとえばイーサリアムのレイヤー1では、1秒に15件ほどしか処理できません。レイヤー1というのは、基本機能を直接支えるメインのブロックチェーンを指します。安全性や信頼性は高い一方で、取引量が多くなると処理が追いつかず、手数料が高騰したり、反映に時間がかかったりします。 結 それって、人気のネットショップが混みすぎて注文できなくなるみたいな感じですね。 江輝 まさにそれです。そうした問題を解決するために登場したのが「レイヤー2技術」です。これは、取引の大部分をブロックチェーンの外で一時的に処理し、後からまとめてレイヤー1に記録する仕組みです。たとえば「ロールアップ」はその代表例で、Optimistic Rollupでは1秒に約2,000件、ZK Rollupでは4,000件以上の処理が可能です。 ロールアップにより単位時間当たりに実行可能なトランザクション数が飛躍的に向上する。 結 すごい!外でまとめて、あとで書き込むって、まるで宅配便の仕分けセンターみたいです。 江輝 他にも、ビットコインの「ライトニングネットワーク」という仕組みでは、理論上100万件/秒の処理性能を実現でき、手数料も0.001ドル未満と非常に低コストです。 結 それなら、毎日何百万人が使っても安心ですね。 3. 次世代を支える最新技術 江輝 スケーラビリティのほかに、もう一つ重要なテーマが「プライバシー」です。ブロックチェーンは誰でも取引履歴を見られるという透明性が強みですが、その分、取引内容まで公開されてしまう点が懸念されることもあります。 結 たしかに、あんまり知られたくないことまで見られちゃうのはちょっと心配かも… 江輝 そこで登場するのが「ゼロ知識証明(ZKP)」という暗号技術です。ZKPを使えば、取引の内容を明かさなくても、「この取引はルールに沿って正しく行われている」ということだけを証明できます。 結 中身を見せなくても正しいってわかるなんて、不思議ですね。 江輝 実際の仕組みは数学に基づいたもので、たとえばZcashという通貨では、送信者・受信者・金額といった情報をすべて非公開にしながらも、その取引が正当なものだということをブロックチェーン上で証明しています。ZKPを使うと、トランザクションの中で何を公開し、何を隠すかを細かく制御できるようになります。取引はブロックチェーンに記録されますが、記録されるのは「証明結果」や「暗号化されたハッシュ」だけで、内容そのものは公開されません。 結 えっ、それでも「本当にちゃんとした取引だ」ってわかるんですか?なぜなんでしょうか? 江輝 そうですね。ZKPをイメージしやすいたとえとして「迷路の証明」があります。たとえば、大きな迷路があって、ゴールにたどり着けるのは正しいルートを知っている人だけだとしましょう。証明者はそのルートを誰にも見せずに、入り口から入って出口から出ることで「ルートを知っている」と示せます。中のルートは秘密のまま、ゴールに着いたことだけが確認されるわけです。 証明者は迷路に迷わずに出口にたどり着くことで、迷路を開示せずに正しい道を知っていることを証明する。 結 あっ、なるほど!出口に出てきたところを見せれば、通れたってことだけがわかるんですね! 結 でも、本当はルートを知らなくても、運よく抜けられることもあるかもしれませんか? 江輝 いい視点ですね。ゼロ知識証明では、「偶然」や「まぐれ」で通り抜けられたかどうかを防ぐために、迷路の出入りを何度もランダムに繰り返してもらうような工夫がされています。つまり、たった1回の成功ではなく、繰り返し正しい行動を見せることで、ルートを本当に知っていることを数学的に確率的に保証するのです。 結 それなら、偶然に抜けられたということもなくなりそうですね! 江輝 この技術を使えば、医療記録や企業間の契約のように、見せたくない情報を守りながらも、それが正しい情報であることだけを証明できます。また、スマートコントラクトと組み合わせることで、「18歳以上である」ことを証明しながら生年月日は隠す、などの応用も可能です。 結 秘密のまま、信頼だけ伝える…まさに未来の仕組みですね! 江輝 はい。ZKPは、これからのブロックチェーン技術の発展を支える柱のひとつとなるはずです。 結 技術って、人を疑わなくて済むようになる仕組みでもあるんですね。 江輝 まさにその通りです。「信頼をコードにする」ことが、ブロックチェーンの本質ですから。 4. ブロックチェーンの未来 江輝 最後に、ブロックチェーンの将来について、より発展的な観点から考えてみましょう。第3章では、すでにビットコインやNFT、ゲーム、投票、医療、物流など、さまざまな分野での応用例を見てきましたね。 結 はい、あれを見て「こんなにいろんな使い道があるんだ!」ってびっくりしました。 江輝 これからは、そうした「点」の活用が「面」になっていく時代です。つまり、個別のサービスにとどまらず、都市全体、国全体をまたいだスケーラブルなインフラとして、ブロックチェーンが統合されていくのです。 都市全体、国全体をまたいだスケーラブルなインフラとしてブロックチェーンが統合されていく。 結 国全体って、どういう感じなんでしょうか? 江輝 たとえばエストニアという国では、国民のID、健康記録、投票、税申告といった行政サービスがほぼすべてブロックチェーン基盤で支えられています。つまり「自分のデータを自分で管理し、必要なときだけ安全に開示する」社会が実現しつつあるのです。 結 え!もうそんなにブロックチェーンが普及している国があるなんて驚きです! 江輝 日本でも、教育分野で卒業証明書のブロックチェーン化や、地域通貨に応用する実験が進められています。世界では「ブロックチェーン国家」や「スマートシティ構想」といったキーワードも出てきています。 結 じゃあ、将来は「ブロックチェーンに対応していないと困る社会」になるかもしれませんね。 江輝 その通りです。そして同時に、課題も出てきます。プライバシー保護と透明性のバランス、法整備、技術標準の統一、そしてなにより「誰もが使えるUX(ユーザー体験)」の設計が必要になります。 結 技術だけじゃなくて、人間にやさしい仕組みにするのが大事なんですね。 江輝 はい。だからこそ、技術を知るだけでなく「それが人の暮らしにどう関わるのか」を考え続けることが、未来をつくる鍵になります。 5. まとめ 江輝 今回の講義では、次のような点を学びました。 ...

6月 19, 2025

【考察】ビットコインブロック報酬問題

1. 2140年問題とは 江輝 本日は、いわゆる「2140年問題」──ビットコインにおける供給上限と、それに伴うマイニング報酬の将来的な枯渇について、鎖塊さんと共に掘り下げてみたいと思います。 鎖塊 よろしくお願いします。2140年というと、まだずいぶん先ですが、その影響はじわじわと現れ始めているとも聞きます。ぜひ基礎から教えてください。 江輝 はい。まず、ビットコインは発行上限が2100万枚とあらかじめ決められており、新規発行されるコインは約4年ごとに半減していく仕組みです。2025年現在、マイナーが受け取る報酬は1ブロックあたり3.125BTCの新規発行分に加えて、平均0.04BTCのトランザクション手数料があります。 鎖塊 なるほど。2025年上半期(1月~6月)で見ると、手数料の合計は約1,050BTC、ドル換算で約1億ドルとなります。一方、ブロック報酬は約82,000BTC、約82億ドルに達し、手数料を含むマイニング収益全体では約83,000BTC、約83億ドルとなります。つまり、手数料収入は全体の1.2%程度にとどまっています。 江輝 まさにその点が課題です。このまま新規発行分が減少し続けると、2140年には完全になくなります。その時、手数料だけでネットワークの維持が可能か──これはセキュリティや持続性に関わる深刻な問題です。 鎖塊 マイナーの報酬が不十分になれば、ハッシュレートの低下やセキュリティリスクの高まりにつながる可能性もありますよね。将来的にはユーザー体験や全体の信頼性にも影響してしまいそうです。 江輝 そのとおりです。ですから、こうした事態に備えて、いくつかの現実的な対応策が議論されてきました。今回はその中でも代表的な五つのアプローチについて、一緒に考察していきましょう。 鎖塊 ぜひお願いします。それぞれのアプローチがどのように作用するのか、詳しく伺いたいです。 2. 手数料インセンティブの改革による対応 江輝 第一は、トランザクション手数料のインセンティブ構造の改革です。たとえば、ブロックサイズを制限して、1ブロックあたりの取引件数を抑えることで、ユーザー間で手数料の競争が起こるようにする案があります。 鎖塊 なるほど、つまりブロックのスペースを希少資源化して、需要と供給で価格──つまり手数料を押し上げる、ということですね。 江輝 その通りです。ですが当然、処理能力が制限されるため、送金詰まりやユーザー離れの懸念もあります。このように、ユーザー体験とのバランスを取る必要があります。 鎖塊 確かに、取引遅延は利用者にとってストレスになりますよね。他にもインセンティブ改革のアイデアはありますか? 江輝 たとえばデマレージと呼ばれる仕組みもあります。長期保有されたコインほど送金時に高い手数料を課すというもので、Freicoinのような通貨で試されたことがあります。 鎖塊 ええと、それはビットコイン版資産課税のようなものですか? 江輝 そのようなイメージで問題ないです。ユーザー心理に与える影響が大きいため、ビットコイン本体に導入される可能性は低いと思われます。 鎖塊 なるほど…メインネットワークの手数料の仕組みを変えるのはやはり難しそうですね。 3. レイヤー2技術の活用による対応 江輝 次に第二の対策として注目されているのが、レイヤー2技術の活用です。特にライトニングネットワークは、オフチェーンでの小額かつ高速な決済を可能にする代表的な仕組みです。 鎖塊 ユーザーからすれば手数料も安く、すぐに送れるというのは魅力的です。 江輝 ええ。その利便性によってライトニングネットワークの利用者が増えると、ビットコインの経済圏自体が拡大し、最終的にメインチェーンでの高額・重要な取引が増えることが期待されます。これにより、1件あたりの手数料単価が上がり、マイナーにとっても魅力的な収入源になります。 鎖塊 なるほど。L2が裾野を広げて、メインチェーンの質を高めるという流れなんですね。 江輝 そのとおりです。加えて、L2の中にはマイナーに直接的な報酬を支払う設計を取り入れているものもあります。例えばRootstock(RSK)というスマートコントラクト対応のサイドチェーンでは、マイニングにマージマイニングを採用しており、RSK上で発生した手数料の一部がビットコインのマイナーに支払われます。 鎖塊 それはすごいですね。レイヤー2がビットコイン本体のマイナーにも報酬を提供するとは。 江輝 はい。このように、L2技術は単にスケーラビリティを高めるだけではなく、2140年以降にブロック報酬がゼロに近づいた後も、ネットワーク維持に必要なインセンティブを間接的に支える可能性を持っています。 鎖塊 つまり、ビットコインの寿命を延ばす補助線のような役割を果たしているんですね。 江輝 そうですね。レイヤー2の活用と発展は、供給問題に対して現実的で持続可能な対応策のひとつと考えられています。 4. テイルエミッションや再発行による対応 江輝 第三の対策として挙げられるのが、テイルエミッションの導入です。これはブロック報酬が尽きた後も、微量の新規発行を恒久的に続けるという考え方です。たとえば、1ブロックあたり0.0001BTCを発行し続けることで、マイナーへの報酬を維持する仕組みです。 鎖塊 でもそれって、ビットコインの2100万枚という供給上限に反するのでは? 江輝 おっしゃる通りです。ビットコインの価値の根幹には「絶対的な供給上限」があるため、インフレ的措置には強い抵抗があります。ただし、将来的に手数料収入だけではネットワークの維持が困難になる場合、緊急的な議論が再燃する可能性も否定できません。 鎖塊 なるほど…理屈としては理解できますが、導入するにはかなりハードルが高そうですね。 江輝 そのとおりです。そしてもう一つの案が、再発行の仕組みです。これは新しく発行するのではなく、既に存在するが長期間使われていないコインを「休眠資産」と見なして、マイナー報酬に再利用しようとする考えです。 鎖塊 それは、たとえば鍵を失ったまま放置されているビットコインを、ネットワークが“回収”して使うようなものですか? 江輝 はい。具体的には、10年以上移動がないアドレスにあるコインを対象にする提案があります。実際、2025年時点でそのようなコインは約340万BTCに上るとされており、発行済みの約17%に相当します。 鎖塊 そんなにあるんですか…それって経済的にはかなりの損失ですよね。もし今後もアクセス不能なコインが増え続けたら、ビットコインの流通量がどんどん減ってしまうんじゃないでしょうか。 江輝 そうですね。休眠資産の増加は、実質的な供給減少を引き起こし、価格の不安定化や流動性の低下につながる可能性もあります。その意味では、再発行案には一定の合理性があります。 鎖塊 でも、それを勝手に再利用するとなると…正当な保有者の財産権を侵害する恐れもありますよね? 江輝 そのとおりです。外部からは、鍵を失ったのか、それとも単に保有し続けているだけなのかは判別できません。そのため、正当な所有権の侵害という倫理的・法的な問題が常に付きまといます。 鎖塊 つまり、どちらの案も技術的には可能でも、導入には非常に慎重な議論が必要ということですね。 江輝 ええ。どちらの案も理論的にはネットワーク維持のための“保険”になり得ますが、コミュニティの信頼と合意なしには実行できません。その意味では、あくまで最終的な選択肢の一つとして整理しておくのが現実的でしょう。 5. マイニングコストの削減による対応 江輝 第四の方策として注目されるのが、マイニングにかかるコストそのものを削減する取り組みです。これは、報酬そのものを増やすのではなく、マイナーの利益を維持するための現実的なアプローチといえるでしょう。 鎖塊 確かに、支出が減れば収益が減ってもバランスは取れますよね。報酬設計をいじらずにネットワークの持続性を支える発想は、わたしにはとても合理的に感じます。 江輝 たとえば、電力効率に優れた最新のASICマイニングマシンを導入すれば、同じ処理能力でも消費電力を大幅に削減できます。これにより、電気代という大きなコストを抑えることが可能になります。 鎖塊 エネルギー効率の向上は環境面にも良い影響を与えますね。以前はマイニングの環境負荷がよく問題にされていましたが、そこにも改善の余地があるということですね。 江輝 はい。実際、地熱や水力、風力といった再生可能エネルギーを活用するマイニング施設が増えてきています。また、これまで廃棄されていたフレアガスを発電に利用し、マイニングに転用するようなケースも出てきました。こうした工夫はエネルギーコスト削減と環境配慮を両立させるものです。 鎖塊 エネルギーの地産地消みたいな形で地域に貢献できれば、マイニングが社会から受け入れられる余地も広がりそうですね。単なる電気食いではなく、持続的な産業としての立場を築けるかもしれません。 江輝 ええ、まさにその方向性です。加えて、大規模マイナーの中には、電力会社と直接契約して卸価格で電力を購入している例もあります。これにより、一般消費者が到底得られないような単価でマイニングを行うことが可能になっています。 鎖塊 それだけ効率化が進めば、理論上は報酬が手数料だけになってもやっていけるマイナーも出てきそうですね。ただ、そうなるとマイニングの集中化や寡占化といった問題は出てこないでしょうか? 江輝 その懸念はもっともです。コスト構造が一部のプレイヤーに有利に働くことで、小規模マイナーの撤退や市場の偏在化が進むリスクはあります。一方で、効率的な運用がネットワーク全体の健全性に寄与するという見方もあるのです。 江輝 ただし、もうひとつ重要な視点があります。もしマイニングコスト全体があまりにも低下しすぎると、ハッシュレートの水準も下がり、ネットワークのセキュリティが相対的に弱くなる可能性があります。つまり、攻撃者が比較的少ない資源で過半数の計算力を手に入れてしまう──いわゆる「51%攻撃」が現実味を帯びてくるわけです。 鎖塊 なるほど、コスト削減が進みすぎることにもリスクがあるのですね。セキュリティと効率、両方のバランスをどう取るかが、今後の課題ということになりそうです。 江輝 そうですね。コストの最適化は重要ですが、それと同時にネットワークの分散性とセキュリティを確保する設計も並行して考える必要があるのです。 6. 難易度調整とネットワーク自律性による対応 江輝 第五の対策は、ビットコインネットワークの根本的な性質──つまり、難易度調整アルゴリズムの活用です。これは新しい発明というより、既に備わっている性質をうまく活かす方向の提案ですね。 鎖塊 マイナーが減れば難易度も下がって、また利益が出るようになる…そうやって自然とバランスが保たれるという話ですね。 江輝 ええ。ビットコインは約2週間ごと、2016ブロックごとに採掘難易度を自動調整する仕組みを持っています。この調整によって、ブロックの生成速度が一定に保たれ、マイナーが減ってもネットワーク全体が崩壊することはありません。 鎖塊 それって、自律的な回復力みたいなものですね。報酬が減って撤退する人がいても、残った人の利益率が回復することで、ある程度の人数が維持される。 江輝 はい。この調整メカニズムは、特にブロック報酬が大幅に減る半減期後などに真価を発揮します。実際、過去の半減期後にもハッシュレートが一時的に下がることはあっても、しばらくすれば安定を取り戻してきました。 鎖塊 ただ、それって報酬がなくなった後にも効くんですか?たとえば2140年以降、手数料だけになるとしたら、難易度調整だけではどうにもならないような気もします。 江輝 最もな指摘ですね。難易度調整は「収益性を回復させる仕組み」ではありますが、その前提にはある程度の報酬が存在することが含まれます。手数料が極端に少なければ、調整後でもなお魅力的でない可能性はあります。 鎖塊 つまり、難易度調整は万能ではないけれど、「ある程度の経済圏」が続く限りは、ネットワークの自然回復力として頼れる機能だと。 江輝 そのとおりです。これは、ビットコインが設計段階から持っていた「柔軟性」の象徴でもあります。そしてそれを活かすには、L2の普及や手数料市場の成熟といった、外的な支援構造も併せて必要になるでしょう。 7. 持続可能な未来に向けて 鎖塊 五つのアプローチを通して感じたのは、それぞれの案にメリットと課題があり、簡単な答えはないということですね。ただ、その中でも私としてはレイヤー2で発生した手数料をマイナーに還元する仕組み──特にRootstockのような実例が既にあるという点で、もっとも現実的かつ発展可能性が高いように思えました。 江輝 確かに、L2の成長は既に現実のものとなっており、それがメインチェーンに経済的な恩恵を還元する設計は、既存の供給上限の枠組みを変えることなくインセンティブ構造を強化する道筋を示しています。 鎖塊 しかも、ユーザーにも使いやすく、かつ環境的にも比較的軽負担な仕組みとして社会受容性も高そうですよね。 江輝 ええ。長期的には、こうした多層構造が相互に補完しながら、ビットコインのセキュリティと機能性を維持していくことが理想です。2140年という一つの区切りを見据えながらも、今からできる技術的・経済的準備が着々と進められることが重要なのです。 鎖塊 未来のビットコインが、より堅牢で、より持続可能な存在になることを願っています。今日はいろいろなお話をありがとうございました。 江輝 こちらこそ、よい議論をありがとうございました。 8. 参考文献・引用 No. リンク 1 ビットコインネットワークの1ブロック当たりのトランザクション数 2 ビットコインネットワークのトランザクション手数料 3 Rootstock公式サイト 4 休眠しているビットコインの総量

6月 28, 2025

【コラム】ビットコインってなに?

1. はじめに 円 ねぇお姉ちゃん、ニュースで「ビットコインの価格が上がった」って言ってたけど……ビットコインってお金なの? 結 あ、ついに円もビットコインに興味出てきた?ビットコインはね、インターネット上で使える「仮想通貨」っていう新しいタイプのお金なんだよ。 円 仮想ってことは……実際にはないってこと?ゲームの中のコインみたいなやつ? 結 そう思っちゃうよね。でも違うの。ゲームのアイテムみたいに勝手に増やしたりはできないし、ちゃんと世界中の人が価値あるものとして使ってる、れっきとした「お金」なんだよ。 2. ビットコインは安全? 円 へぇ~。でも、お札とか硬貨もないのに、どうして「お金」って言えるの? 結 いい質問。ビットコインはブロックチェーンっていう技術で管理されてて、そこに全部の取引記録が残されてるの。しかも、国とか銀行が操作してるわけじゃなくて、みんなのコンピュータで記録を守ってるのがすごいところ。 円 みんなでって…本当に安全なの?誰かが勝手に書き換えたりしたら? 結 実は、それができない仕組みになってるの。記録は世界中の人たちのパソコンに「分散」して保存されてて、誰か1人がズルしても他のみんなの記録と合わなかったら無効にされちゃうんだ。 3. ビットコインはみんなで守る 円 それって…クラスで全員が給食当番表を持ってる感じ?誰かがこっそり「明日はお休み」って書き換えても、みんなの表と違ってたらすぐバレる、みたいな? 結 そのたとえ、ぴったりだよ。みんなが正しい情報を持ち合って、お互いにチェックしてるからこそ、信用できるんだよね。 円 じゃあ、ビットコインって「みんなで見張ってるお金」ってことなんだね。 結 うん、それにビットコインは全部で2100万枚までって決まってて、それ以上は増えないの。だから「限りあるもの」として価値が保たれやすいんだ。 円 お金って、必要なだけ作れるものだと思ってたけど……ビットコインは数が決まってるんだ! 4. むすびに 結 そうだよ。ビットコインはまだまだ使い方も進化中だけど、もしかしたら未来では、もっと身近なお金になるかもしれないね。 円 じゃあ今のうちにちょっと勉強して、未来の使い方に備えようかなっ! 結 それ、いい考え!そうじゃあ、一緒にウォレット作ってみようか。ウォレットっていうのは、ビットコインを送ったり受け取ったりできる「デジタルのお財布」のことだよ。

6月 24, 2025

【コラム】贈与経済2.0について

1. はじめに 円 ねえお姉ちゃん、その本なに読んでるの? 結 これはね、『贈与経済2.0』っていう本。ちょっと難しいけど、すごく面白いの。 2. 贈与経済2.0ってなに? 円 贈与?ってあげるやつ?お年玉とかプレゼントとか? 結 そうそう、昔からある「贈り物」の文化を、ブロックチェーンの技術でアップデートした経済の仕組みなんだって。 円 へぇ〜…でも経済ってお金のことでしょ?プレゼントとどう関係あるの? 結 いい質問だね。昔の贈与って、ただの善意に見えても、実は「もらったら返さなきゃ」っていう気持ちが強くて、ちょっと重たい面もあったんだって。 円 あー、それあるかも。わたしも友だちに何かもらったら、すぐ何か返さなきゃって思っちゃう。 結 でもね、贈与経済2.0では、その「ありがとう」の気持ちをブロックチェーンに記録して、誰かが何かをしてくれたことが、社会全体で見えるようになるの。 円 えーっ!?感謝を記録するの!? 結 そう、それでその「ありがとう」は「ハート」っていうトークンとして記録されるんだよ。誰が誰にどんなことをしたか、ずっと透明に残るの。 円 へぇ〜……でも、それってなんか照れくさくない? 結 うん、でも面白いことに、たくさん「ありがとう」を集めた人は、他の場所でも信頼されるようになるの。まるで「信頼の通帳」みたいにね。 3. 贈与の負債感を軽減する仕組みとは? 円 でもさ、たとえ記録が残るって言われても、何かをもらったら、やっぱり何か返さなきゃって気分になると思うんだけど…私だけかな? 結 ううん、円だけじゃないよ。そう思う人はたくさんいると思う。でもね、贈与経済2.0では「直接返さなくてもいい」って考え方があるの。 円 えっ、どういうこと? 結 誰かにしてもらったことは、その人に返すんじゃなくて、次に別の誰かへ「恩送り」するんだよ。バトンみたいに感謝が回っていくの。 円 なるほど…バトンリレーみたいでちょっと楽しそうかも! 結 そうでしょ?誰かに何かをしてあげたら、いつか違う人から助けてもらえる。それが記録に残って、見えるようになってるからこそ信頼の輪が広がるの。 結 それにね、ハートがたくさん記録されていくと、「この人はたくさん人を助けてきたんだな」って社会全体に伝わるの。それがその人の信頼につながって、自然と周りから応援されたり、協力してもらえるようになるんだよ。 円 あ、そっか……「ありがとう」の記録が残って、それをみんなが見てくれるだけで少しお返しできてる感じがするね。それならすこし気が楽かも。 4. むすびに 円 わぁ、それってめちゃくちゃいい仕組みだね!わたしも「ハート」いっぱいもらえる子になりたい! 結 ふふ、それならまずは…お皿洗いお願いしちゃおうかな♪ 円 ラジャー!ハート1個ゲットだぜっ!

6月 21, 2025
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